「オーラルフレイル」という言葉を最近、目や耳にすることが多くなったのではないでしょうか。これは、歯や口腔機能の低下を表す新しい考え方で、ひと言でいえば、お口の虚弱状態のこと。
健康だった人でも、加齢により口の中の機能は徐々に低下していきます。すると、障害が起きて、外食したくない、人と会いたくないなど、心身の機能低下にまで至ることが出てきます。したがって、高齢者の皆さまにとっては見過ごすことのできない症状です。
食べることでいえば、滑舌が悪くなったり、噛めないものが増えたり、あるいはむせたりといった小さなことから始まり、さらに症状が進むと、咀嚼や嚥下する力が衰え、お口の機能はますます低下していきます。そうなると、食事はしていたとしても、食欲減退により食べる量が減り、栄養も偏り、やがてサルコペニア(筋肉虚弱=運動障害)を引き起こします。そして全身の筋肉が弱れば、要介護状態に至ることも。お口の健康が介護問題にまでつながっていくわけです。
健康や介護の問題の入り口は歯科にあること、そしてしっかり噛んで食べられることの重要性をぜひ皆さまにも認識していただき、もし問題があれば一つずつ改善していきましょう。